【グラフ⑤】「日本滞在中の喫煙環境に関する訪日外国人の実態」 今回の日本への滞在中に、公共の場でたばこを吸った際に、あてはまったものをお知らせください。

【グラフ⑥】「日本滞在中の喫煙環境に関する訪日外国人の意識」 日本に滞在中、公共の場でたばこを吸う際について、あてはまるものをお知らせください。

訪日外国人から寄せられた
日本の喫煙ルールに対する意識
 
　次に本条例が作られようとしている目的の一つ、訪日外国人が日本の喫煙ルールに寄せる意識を考察したい。本アンケートについては喫煙、非喫煙をはじめ、性別、年代および国籍別に調査を行なった（グラフ⑤を参照）。旅行中の喫煙を望む観光客も少なくない中で訪日外国人において喫煙者・非喫煙者共に困惑しているのが「たばこを吸う際に今いる場所が『たばこを吸っていい場所か、否か︖』」といった点だ。これについては喫煙者の約60％が困惑しているという回答に加え、非喫煙者の80%強が「ルール表示がないため困惑した」と回答している。また旅行先により喫煙ルールが変わることも「混乱する」との回答が調査グループの分別に限らず約75％を示しており、ここにわれわれが採るべき対策が示されているように考える。
 
　これはグラフ⑥を参照されたいが、公共の場における喫煙ルールについても彼らの多くが混乱を感じている。80％強の訪日外国人が「日本で統一されたルールがあった方がよい」と回答しているように国内の飲食店事業者、生活者同様に統一ルールが施されることに賛同の意が寄せられている。特に統一ルールが作られることについては訪日外国人の喫煙者が約80％、非喫煙者においては約90％が賛同している上、現行の公共施設における喫煙ルールについては「日本は親切ではない」と約60％が回答している。日本は今、観光立国として世界での地位を確立するべく日本人の持つ細やかな心遣いを“おもてなし” というキーワードで“観光地としての魅力づくり” をしている。であるならば、“おもてなし立国“を目指す上でこれらの声は「迎える側の考える” おもてなし“」ではなく、「受け手の望む”おもてなし“」を考えるいい材料となるのではないだろうか︖　そして「受け手の望む喫煙ルール」は完全禁煙でもなく、地域ごとに異なることでもなく、分かりやすく統一されたルールであり、喫煙者・非喫煙者それぞれが”自分の望む選択をできる“というシンプルなことを可能とするルールである。それならば本ルールの統一化に加え、サイン、外国語表記の統一など誰もが一目で分かるルール設定に注力することの方が大切なのではないだろうか︖　これは訪日外国人だけでなく、日本人にとっても有用な取り組みとなると考える。
 
望まれるのは全国で統一された喫煙ルール
 
　最後に飲食店事業者、生活者、訪日外国人それぞれの「喫煙ルール統一に関する意識」について紹介したい。3ジャンルすべてのアンケートにおいて「自治体、地域でそれぞれルールがある方がよい」という意見を「自治体、地域を問わず全国で統一されたルールがあった方がよい」に賛同する回答が大きく上回る（グラフ⑦⑧⑨を参照）。飲食事業者、生活者は約77％、訪日外国人は約74％が賛同となっており、国の内外でほぼ同率の回答となっていることは現行の喫煙ルールを取り巻く状況が現実に即していないということが見てとれる。特に統一ルールへの賛同が飲食事業者の調査では「ファミリーレストラン100％」に加え「中華料理店・カフェ・喫茶店」が約90％「レストラン・食堂」が約82％となっており、「全席喫煙・分煙・全席禁煙」のいずれの喫煙ルールの事業者もルールのいかんにかかわらず約80％の事業者が統一ルールを求めているのだ。生活者および訪日外国人においては40 代以上の世代が80％強、訪日外国人においては50 代以上の層が約93％が統一ルールを求めており、観光立国に加え、来る超高齢社会にむけても分かりやすく、見やすい統一ルールが作られることは望まれる施策であると考える次第である。

【グラフ⑦】「喫煙規制統一に関する飲食事業者の意識」 「自治体や地域と問わず、全国で統一された喫煙に関する法律がある方」と、「自治体や地域で、それぞれの喫煙に関する条例がある方」ではどちらがよいと思いますか。

【グラフ⑧】「喫煙規制統一に関する生活者の意識」 公共の場での喫煙ルールについて、「自治体や地域を問わず、全国で統一された喫煙に関する法律がある方」 と、「自治体や地域で、それぞれの喫煙に関する条例がある方」 ではどちらがよいと思いますか。

【グラフ⑨】「喫煙ルール統一に関する訪日外国人の意識」 日本の公共の場での喫煙ルールについて、「自治体や地域と問わず、全国で統一され た喫煙に関する法律がある方」と、「自治体や地域で、それぞれの喫煙に関する条例 がある方」ではどちらがよいと思いますか。