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第8回 中瀨 敏和  ホテルウェルネスプログラム

第8回  ウェルネスプログラムの創出事例③ 施設コンバージョン

【月刊HOTERES 2017年05月号】
2017年05月26日(金)
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㈱サップス 代表取締役
中瀨 敏和
Toshikazu Nakase
〈プロフィール〉1968 年大阪市生まれ。88 年大阪YMCA 国際専門学校「社会体育学科」卒業後㈱ジェイエスエス入社、97 年㈱スポーツアシスト設立に参画。総合スポーツクラブ、医療法第42 条にかかわる運動療法施設、メディカルフィットネスクラブの開業支援・経営改善、ホテルフィットネスクラブの運営企画を担当し、2002 年㈱サップスを設立。07 年中小企業新事業促進法に基づく経営革新計画「スポーツクラブの再生事業」で兵庫県知事の承認を得、先行クラブとは一線を画する再生クラブを創造し、現在はロケーションに応じたテーマの違う直営事業を11 店舗、パートナーシップ運営受託事業を7 企業(7 事業所)展開している。
 
株式会社サップス
〒659-0067 兵庫県芦屋市茶屋之町2‐22
TEL:0797-35-6350
URL:http://sa-ps.jp/index.html
【概要】「予防医療への貢献」「コミュニティー拠点(スポーツクラブなど)参加率向上への貢献」「生きる喜び・やりがいづくり」への貢献をミッションに、フィットネスクラブの運営とスポーツ用品・用具の販売事業を軸としたウェルネス事業を展開。創業は2002 年。中小のスポーツクラブが抱える在庫リスク低減を目指し、スポーツ用品の委託販売ビジネスを創造。その後、独自の運営ノウハウを生かし、ウェルネスプログラムの開発・提供などを通じたホテル内スポーツクラブの再生などを手掛ける。

全12 回の連載で、フィットネス視点からの「ホテルウェルネスプログラム」 について具体的なアプローチ方法などを交え、お伝えしていきます。第8 回はウェルネスプログラムの創造について前回に引き続きお話ししたいと思います。

~事業を再構築しキャッシュインへ~
 さて今回はさらに踏み込んだ事例をご紹介していきます。現状の施設ゾーニングでは、永遠に損益分岐を超えることができない事業スキーム(そもそも部門損益を求めず、ホテル全体売り上げにおけるコスト施設という事業スキームのホテルは除く)で、運営を継続しているホテルフィットネスクラブが存在しています。
 
 これは運営サイドの問題ではなく、そもそもスタート時にマーケットを勘案せず、過大に設置された設備がランニングコストを増大させている場合や、社会環境の変化に伴うホテル利用ニーズが極端に減少したことにより、稼動しないスペースを保有しなければならない状況になるなど、明らかに売り上げに対してのコストバランスが悪い仕組みとなっていることがあります。
 
 ここにイノベーションを起こす際には、かなり大胆なチェンジを実施する必要があります。写真①- 1・2、②- 1・2 は、プールを廃止しウェルネスゾーンにチェンジした際のものです。
 
 プール施設は歩行専用で遊泳することができない中途半端なスペースであり、かつ歩行プールの動線は施設の外へとつながり、外気にさらされた状態で施設内へと戻るという造りとなっていました。
 
 夏場はまだしも、冬になるとプール水温を温水として保つための燃料コストは、売り上げを大幅にオーバーし、合わせて天井の高さが6mと室内温度を保つこともままならないような状況でした。
 
 当初は、施設損益の改善を目的として運営受託によりコスト構造の改善やサービスプログラムの改善に尽力していました。しかし、この施設が損益分岐点到達を達成するためには、抜本的な改革が必要という結論となり、新たな事業スキームで施設をコンバージョンすることで、損益分岐点到達への道筋を描きました。
 
 この事例では、最大の課題であった
「プール施設を閉鎖しコンバージョンする」ということもあり、ホテルのイニシャルコスト削減など協議の上、Vivo 直営店舗として新たな事業スキームでウェルネス施設をリ・スタートさせました。
 
 プール施設で使用していた設備などは、新たな施設の熱源として生かせるものは再利用して、早期損益分岐点達成が可能な構造へと事業を再構築しました。
 
 成果として、ホテルは一瞬にして部門損益が黒字化し、キャッシュフローベースでは毎月のキャッシュアウトがキャッシュインへと劇的な変化を遂げることとなりました。

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