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新連載 新連載  小林 武嗣 マーケティング・オートメーション時代がやってきた!

第1回  ホテルの弱点はマーケティング

【月刊HOTERES 2017年05月号】
2017年05月12日(金)
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目的は、今日の収益拡大か、
将来の需要創出か
 
 レベニューマネジメントをゴルフに例えると“ フォームを良くするもの” だと筆者は考えています。良いフォームで球をとらえれば、200ヤードの飛距離を効率的に220ヤードへと伸ばせます。スコアも伸びることでしょう。しかし、これが300ヤードを飛ばすとなるとどうでしょうか。フォームだけでは十分ではありません。当然ながら基礎体力が必要です。
 
 さて、ホテルにとっての基礎体力とは何でしょうか。それが、“ 需要を創出する力” なのです。ではどうすれば、ホテルは基礎体力を付けることができるのか。実は、それをホテルに与えてくれるのがマーケティングなのです。
 
マーケットセグメントの分析と
ターゲットの特定が重要

 需要は多岐にわたりますが、的確にアプローチをしなければ意味がありません。そのためにはまず、需要を細分化する必要があります。これを“ マーケットセグメント” と呼びます。
 

 
 両部門でセグメント軸が異なる理由は、マーケティングの目的の違いです。予約部門では「どの市場に自社需要があるか」という現在の需要を探し当てていることに対して、マーケティング部門では「自らの活動によって需要を創出しよう」ということを目的にしています。大切なのは、自社にとって望ましいセグメントを選択し、特定したターゲットに対して細かくアプローチを仕掛けることです。
 
アプローチ手段を誤ってはならない
 
 アプローチ手段の一つ、「告知」を例に説明していきましょう。告知は4P の「Promotion」です。告知の目的には、「新規客の集客」と「リピーターの集客」とがあり、それぞれに適した手段で告知する必要があります。
 
 新規客に向けた告知では、自社ホームページの情報充実やSEO対策、あるいはOTAへの広告出稿がメインです。既存客( リピーター) に向けては、CRMという理論に基づき、会員制度などを介して行なわれます。アプローチは適切に行ないます。手段の選択を誤ってマーケティングコストを無駄にしては意味がありません。このように、細やかな施策を適切に行なって初めて、「需要の創出」は実現可能となるのです。
 
少人数の組織だからこそ
マーケティング・オートメーション
 
 ホテルのマーケティング部門の人員は、現時点では非常に少ない傾向にあります。先述した他業種の大手企業と比べて両者の違いは一目瞭然です。実際のところ、ホテルがいくら本格的なマーケティングをやりたくても、人材不足のためにできることは限られているというのが本音でしょう。
 
 これに対して、マーケティング・オートメーションは、マーケティングシナリオを作成しさえすれば、あとは自動的にマーケティング活動をコンピューターが実行してくれます。さらに評価数値を収集してくれる。
 
 マーケティング部門は、その数値結果を基に、次のシナリオを改善していくことに集中できるわけです。自動的にといっても、単にメールを自動配信したり、問い合わせに自動返信するという単純なものではありません。詳しくは次回以降で解説していきますが、ともかく、少人数のホテルこそマーケティング・オートメーションを手に入れていただきたい。なぜなら、これまでやりたくてもできなかった「需要創出」を実現できるのですから。

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