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トップインタビュー ホテルアリヴィオ 取締役 濱 哲史 氏

異業種からやってきた32歳の経営者が大赤字ホテルを短期で黒字転換、直予約率90%を実現 小さな独立系ホテルでも、適切なプロセスを踏めば必ず再生できる

【月刊HOTERES 2017年04月号】
2017年04月28日(金)
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改革のプロセスと同時進行で、
人材の育成は必須
 
 ただ、ここで忘れていけないのは、すべて最終的には人ですから、人の育成と教育は同時進行で進めていました。良い組織を作るには、「経営陣との信頼関係」、「仕事のやりがい」、「同僚との連帯感」この一つでも欠けてはいけません。これは、『Great Place to Work®』というサイトに出ています。
 
 日ごろからコミュニケーションを密にして経営者である私と同僚たちとの信頼関係を構築しながら、結果が出たら褒めてやりがいを感じてもらう。さらに、それぞれの強みを活かしてもらうために、園芸が好きな人には園芸の本を買ってそのスキルをホテルに活かしてもらい、カメラが好きな人も同様に本を買ったりセミナーで勉強してもらい、WEB サイトの写真を撮ってもらう。英語の強化のために外国人の知人を呼んで、チェックイン、アウトの練習をする…。お金がありませんから、トレーニングも個々に合わせたオーダーメイドでやっています。
 
 そういう風にスタッフを大切にすれば、おのずとスタッフはお客さまにも良くしてくれます。結果、お客さまはいつもお土産を持ってきてくださいますし、スタッフは電話の声でお客さまが誰かも分かるくらいになり、今では予約のほとんどが電話で、だからこそ予約の90%以上が直接予約となっています。これはリピーターが多いホテルアリヴィオだからこそかもしれませんが。
 
装置産業” からの脱却
 
今では業績が好調なわけですが、その先に目指すところは?
 
 ホテルはいわゆる“装置産業”と言われ、継続的な設備投資が当たり前のように言われていますが、そこに一つ挑戦できないかと考えています。もちろん、まったく投資をしないのではなく、経年劣化のスピードを抑えることで、設備投資を抑える。そのために、館内の清掃を内製化し、今、取り組んでいます。
 
 まだ仮説の段階ですが、「古くてもきれいなホテル」というのができるのではないかと、考えています。
 
 もう一つは、今は顧客層に偏りがあるので、その分散です。具体的には、週末レジャーをより強化していくというものです。このためには、今までのお客さまだけでなく幅広いお客さまに訴求できる滞在経験をどのように提供していくか、これはまだ模索中の段階です。
 
 さまざまな取り組みを行ない、より収益を高めながら、最終的には現在のスタッフにちゃんと還元をすることが目標です。働いているスタッフが安心して家族を養っていけるようなホテルづくりを目指し、経営的な努力を継続していきたいと考えています。
 

Profile
哲史
(Satoshi Hama)
1976 年生まれ、石川県七尾市出身。理工系大学卒業後、アンダーセンコンサルティングで顧客戦略・マーケティングに従事、バルセロナのIESE Business School でMBA を修了後、戦略コンサルティングファームのA.T. カーニーで製造小売業を中心に国内外の各種案件に従事。その後、七尾の実家に戻り、現在は小売・宿泊・飲食・不動産業を展開する濱屋織物㈱の経営を管理。趣味は、サイクリングと映画鑑賞。
 
ホテルアリヴィオ
〒926-0046 石川県七尾市神明町1 TEL:0767-53-0123 URL:http://hotel-alivio.jp/
 

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