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新連載 新連載 安東徳子 科学で伸ばす人事戦略 数値化できるホスピタリティ

AI 時代にヒューマンホスピタリティを科学化する意義

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月30日(金)
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株式会社エスプレシーボ・コム
代表取締役
安東徳子氏
〈プロフィール〉ウエディング業界、専門学校を中心としたコンサルテーション業を長年に渡り幅広く展開。コンサルテーションによる課題発見と解決手法を示すだけでなく、研修も並行して行うサービススタイルが確実な結果を生むことから評判を呼び、コンサルテーション業務自体のリピート率の高さも注目されている。サービス業に特化した研修で現在までに1 万人以上の受講実績を持つ。そこから導き出された独自のホスピタリティ理論は業界内外で高い評価を得ている。近年では千葉県の美容系専門学校の立ち上げコンサルテーションを担当し、創立翌年から9 年連続県下1 位の入学者数を維持するという驚異的な結果も出した。これらの実績は『共感力』をベースとした独自理論『ECメソッド』から生まれている。

 
 皆様もご存知のように、AI(人工知能)の発達により、「AI に任せる業務」と「人にしかできない業務」とのすみ分けが始まっています。労働人口が減少する今後は、顧客情報に対応した適切提案のように、記憶力やデータに頼る業務はAI に全任されることでしょう。
 
 こうした時代だからこそ、AI との共存に最も求められるもの。それは、共感力に基づくホスピタリティです。
 
AI によるサービスと共存する時代の到来
 
 皆様がクレームの電話をかけるとき、自動応答で謝罪されて溜飲を下げることはあり得ないことかと思います。
 
 現在のAI は、相手の表情や声音をパターン認識で読み取ってストレス度を判断し、最適な対応ができるようになりました。しかし、どんなに感情が込められたかにみえる言葉であっても、ロボットに感情はありません。ですから、「機械的」「心がこもっていない」と感じます。
 
 心がこもるというのは、感情の共有つまり共感の原点。デジタル演算による言葉をつくしたAI のねぎらいよりも、共感が込められた「大変でしたね」という、ありきたりな言葉のほうをありがたく感じるのは当然です。感情コミュニケーションだけは、生命体ではないAI には不可能な分野なのです。したがって、AI にできない共感こそが人に求められるホスピタリティとなります。
 
現場から生まれた
「ホスピタリティビリティ理論」
 
 これまでのホスピタリティ業界は、適性のある人材の採用に重きを置いてきました。しかし人材難となる今後は、教育による人材育成を重視しなければなりません。それにはホスピタリティ適性を客観的に計測し伸ばすための科学的な教育手法が必要です。
 
 例えば、ホスピタリティ業界には、どの分野においても「スーパーキャスト」というべきお客さまの心をつかむことに優れたスタッフがいます。一方、とりたてて目につくような欠点もないのにクレームが多い、あるいは短期間で離職するスタッフもいます。弊社ラボでは、両タイプの共通点を分析することにより、ホスピタリティ適性を定量化できるとの仮説を立て研究を行ないました。そしてホスピタリティ産業に従事する1 万人以上を分析した結果、「ホスピタリティには10 の資質を要する」との結論に至りました。
 
 さらに、ホテル、婚礼、旅行、不動産、高級乗用車、宝飾品などの業界で検証を行なった結果、この傾向が明確に確認できたため、ホスピタリティを形成するこれら10 の資質を「ホスピタリティビリティ」と総称し、この理論を「ホスピタリティビリティ理論」と名付けています。
 

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