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第17 回 公益社団法人国際観光施設協会編  観光施設メディアラボ 

第17 回 ホテルの安全・安心8 駅における安全性の要件

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月23日(金)
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東日本旅客鉄道㈱ 八王子支社
八王子建築技術センター 所長
大貫 渉氏

 
 本稿では、ホテルと同様に観光交流空間である鉄道駅における安全性の要件についてご紹介します。
 
駅に求められる要件
 
 駅は日々の通勤、通学だけでなく、週末のレジャー利用などで多くのお客さまにご利用いただいています。建築物として駅を見た場合、ほかの公共施設、商業施設と比較して以下の特徴と要件があります(図1)。
 
 これらの中で最も重要な点は安全性です。お客さまの命を守ること、安心して駅をご利用いただくことは、公共交通を担う我々にとっての使命であり、そのためにさまざまなルールに基づいて建物の安全性を確保しています。

法的要件
 
 建築基準法第二条で鉄道敷地内の運転保安に関する施設は建築物の定義から除外されていますが、その部分を担保する法律として、鉄道営業に必要な基準を定めた「鉄道営業法」があります。
 
 具体的な基準は、同法の関連省令である「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に定められており、鉄道事業者はこの省令の実施に関する基準を自ら定め、遵守することとされています。
 
 駅に関しては、改札口が建築物と鉄道施設の境界となるケースが多いため、駅建物全体としては、鉄道に関する基準と建築基準法の両方をふまえて設計を行なうことが必要になります(図2)。その上で安全性、耐久性の観点から、自ら定めた基準にのっとり駅の安全性を確保することとしています。

仕上材の性能
 
 駅の仕上材は主に以下の考え方に基づき設計しています(図3)。特徴的な点としては、列車運行に伴う振動や風圧に関する検討を行なうことが挙げられます。特に積雪地域で採用しているトンネル状のホーム上家の近傍では、列車通過時に発生する圧力変動が長期的に繰り返し荷重としてはたらき、内装材の割れや落下を発生させる原因となるため注意が必要です。
 
 また駅のバックヤードエリアを除く範囲は、部材劣化による落下リスク低減の観点から材料を選定しています。防耐火に関しては、法的な制約がない場合でも外壁は不燃以上、内壁は準不燃以上を基本とし、延焼等の二次災害防止を図っています。

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