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レポート  IT 導入事例2016 ユーザー訪問シリーズ 『ホテルオークラ福岡』編 

新システム導入でレストラン予約の「見える化」にチャレンジ

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月09日(金)
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副総支配人 料飲部長
亀山健二氏
連綿と受け継がれるホテルオークラのホスピタリティーを
若い世代に伝える

システムだけに頼らない業務改善プラン
 
 亀山氏によれば、今回のレストラン予約システム「ReCS」の導入には、そもそもレストランの販売機会のロスを削減するという目的がメインだったという。
 
「各店舗での予約対応は、営業時間中の場合、手が離せなくて電話に出られないなどの事例がどうしても避けられません。一方で、現場ではなく、オフィスでレストランの予約を受けていたスタッフも専門スタッフではなく、きめ細かな対応ができていませんでした。そういったロスをなくすために必要な措置として、予約を受け付ける専門部署であるレストラン予約課の設置と、情報を一元管理できるシステムの導入が不可欠ということになりました。ただ、予約システムの導入に関しては、現場から100%歓迎された訳ではありませんでした」と逆風の場面があったことを語る。
 
「レストランの予約は、案件ごとに細かい部分まで多岐にわたっているため、追加・修正が簡単な『紙ベース』が好まれる傾向にあり、現場の負担が増えるのではないかとどうしても思われがちでした。ただ、システムの稼働はレストラン予約課が中心という業務設計を説明し、納得してもらい、今では全店舗でシステム上での予約管理を行なえるようになりました」と導入成功の秘密は、システムありきの導入ではなく、業務設計にあることを明かしてくれた。
 
 こういった新たに業務改善システムを導入する場合、システムがまるで「魔法の杖」のように何でも解決してくれると誤解してしまい、結果、期待通りのパフォーマンスを上げることができないというケースがよくある。今回の同ホテルの、ベースに業務改善のためのプログラムがあり、システム導入は目的達成のためのワンピースというスタンスは、今後業務改善システムの導入を考えている施設にとっては、最高のサンプルとなるだろう。
 
「ただ、今回の予約システムの導入がうまくいった背景にはユニコーンの『ReCS』がPC に慣れていない人間にも使いやすく、ストレスなく操作ができた点も大きかったと思います。当初はホテルの宿泊・宴会システムと同じものにしようとも思いましたが、操作が決して簡単とは言えず、カスタマイズなどの対応も限定的でした。その点ユニコーンの『Re CS』はデフォルトのインターフェイス画面から洗練されていて、レストラン予約に必要な情報が過不足なく網羅されていました。カスタマイズに対する回答も、柔軟かつ的確で、実務をしっかり理解しているという安心感がありました。おかげで予約課でも現場でもスムーズに導入が終了しました」と亀山氏はシステムに関するパートナー選びも今回の成功には欠かせないものだったと語る。徹底した現場主義を貫くユニコーンの面目躍如といったところか。
 
レストラン予約を先の読めないものから
先の読めるものへ変える
 
 ホテル内のすべての店舗に「ReCS」の導入を無事完了した現在、亀山氏の次なるステップは、予約受付時に同時に入力した顧客情報の活用にあるらしい。「予約時に入力したお客さまの情報をデータベース化し活用していきたいと思っています。『予約台帳』のシステム化が終わったので、次は『顧客台帳』のシステム化といったところですね。宿泊システムほどの情報量はありませんが、このデータを活用し、レストラン予約にCRM 的な動きを加えていければと思っています。特に高級店の販促に高い効果を発揮できるのではと考えています」と次なるステージをすでに見据えていた。
 
 また顧客データベースには、顧客サービスへの効果も大きいと語る。
「現在どこのホテルでも人材難が大きな問題となっています。当ホテルのレストランも同様で、これまでどこにでも一人はいた熟練のサービススタッフがいなくなり、新しいスタッフの定着も良くなく、サービスの低下が懸念されています。『ReCS』の顧客データベースに顧客のさまざまな情報を残すことによって、これまでベテランスタッフが記憶と経験で担ってきたお客さまごとのきめ細かいサービスを、スタッフ全員で情報を共有することにより、熟練スタッフがいなくても、サービスの低下を防ぐことができると考えています。『K(経験)K(勘)D(度胸)』による運営を払拭するために導入したシステムが、若いスタッフの『K(経験)K(勘)D(度胸)』不足を補うというのは不思議ですね」
 
「ReCS」というパートナーを得て、料飲部門の常識を覆していく亀山氏。最終的にはレストランの予約のレベルをホテルの宿泊予約レベルにまで引き上げ、先の読めないといわれるレストランの仕事を、先の読める仕事にしたいという。
 
ReCS(レストラン予約顧客管理システム)とは
ユニコーンがレストランの予約、顧客管理に必要な機能を網羅した主にホテルの館内、あるいはホテル運営関連の館内レストラン向けの予約および顧客管理システム。レストランの予約業務の流れをきちんと理解し、設計されたシステム構成やインターフェイスと、柔軟なカスタマイズによる対応で、真の意味でのソリューションを提供してくれる
 
〈お問い合わせ先〉
株式会社ユニコーン
東京営業本部 03-6808-1237
大阪本社 06-6943-4560
http://www.atlantis21.co.jp/

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