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第14 回 大住 力  マジカル☆チームの創り方 ~ゲストとスタッフがハッピーになる仕事の仕方~

第14 回 人材育成において大切なこと

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月09日(金)
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大住 力(おおすみ・りき)
ソコリキ教育研究所 所長
公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」代表東京ディズニーランドなどを管理・運営する㈱オリエンタルランドで約20 年間、人材教育やプロジェクトの立ち上げ、運営、マネジメントに携わる。退社後、「ソコリキ教育研究所」(研修・講演・コンサルティング)を設立し、前職での経験を生かして、人材育成プログラムを企業などに展開している
info@sokoriki.jp

■ Case Study14
人材育成において大切なこと
 現在、業績も組織拡大も急成長のある企業の人材育成コンサルティングを行なっている中で、ある一般社員が相談をしてきました。話を聞いてみると、その社員は、現在の急成長の自社に最近、転職してきたこと、前職は全く畑違いの異業種であることを話してくれました。しかも前社はその業界では一位、二位を争うような業界ではとても有名な企業でした。その前社で20 年ほど勤めてきて、スキルやテクニック、ナレッジも高い技術者で、それなりの役職、経験も経ての転職のようでした。人間関係でもめたわけでもなく、大きな不満があっての転職でもないと話してくれました。企業の立場になって考えてみると、前社はこのような人材を失ったことは、大きな痛手であったと推察しました。
 
 そこで、なぜ転職をしてこのような異業界に入ったのかを聞いてみると、“ 自分がいる意味がないのでは? ”と感じたということでした。“ 別に自分の会社を嫌いになった訳ではないのです。やっていること、展開していることに不安を感じた訳でもないのです。また、待遇面に不満があった訳でもないのです。でも、本当に中間管理職になってきて、自分自身の存在価値が感じられず、このまま、ここに居ても意味がないのではと感じたのです。別に新天地に待ち焦がれて高待遇で来たわけではなく、普通に転職を希望して自らで決めて来ました” とのことでした。
 
 ここまで話されてしまうと、本当に失った企業の立場になってみると、“ あれだけ投資したのに、何が不満だったのか? ” と悩んでしまいそうな感覚と感じました。しかし、このような事例は、今に始まったことではなく、昔からよくあるのです。前社にとってみれば、その理由は分からないかも知れませんが、組織で働くという形態が始まって以来、このような事例は決して珍しいものではありません。
 
 このような理由の一つとして、改めて“ 人材育成” の大切なことを、今回は整理しておきたいと思います。人材育成と聞くと、即戦力のためのスキルやテクニック、そして知識のインプットなどが第一番目に思い浮かびがちですが、人材育成においてもう一つ、大切な要素があります。それは人材一人一人の“ 誇り” や“ ロイヤルティー” の育成なのです。今回の場合の転職した一人のスタッフの話も、スキルやテクニックは十二分に有していながらも、まさに前社や前職に対しての“ ロイヤルティー”の欠如にほかなりません。決して不満はないのですが、いわゆる“ やりがい” や“ 働きがい” を喪失したため、離れていくという決断をしてしまいました。前社にしてみれば、せっかくお金と時間をかけて優秀な人材に育成したにもかかわらず、あっけなく失ってしまう。このような事例は、決して珍しいことではありません。ぜひ、このようにならないように参考にしてください。

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