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2022年12月16日号 トップインタビュー インターコンチネンタルホテル大阪 総支配人 アレックスポーティアス氏

トップインタビュー インターコンチネンタルホテル大阪 総支配人 アレックスポーティアス氏

【月刊HOTERES 2022年12月号】
2022年12月15日(木)
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人と一緒に働いて、人をケアするというシンプルな仕事がGMの果たすべき役割

----総支配人に求められる仕事について、どのように考えていますか。

 総支配人として私がやるべき仕事はとてもシンプルです。人と一緒に働いて、人をケアする。それが総支配人の役割です。ホテルを移ったことで実務的な仕事については異なる部分はありますが、総支配人の仕事の根本が変わることはありません。
 
 私のマネージメント手法は、よりよいエンプロイー・エクスペリエンス(従業員の経験価値)を提供することで従業員満足度を向上させることにあります。特に現場が厳しい状況を迎えたこの数年はその重要性が高まりました。インターコンチネンタルホテル大阪で働くことで素晴らしい経験ができる環境を創り出し、200人を超えるスタッフのケアをすることが大切なのです。そのプラスの効果がお客さまにも伝わり、結果として顧客満足度が向上するという考え方です。
 
 エンプロイー・エクスペリエンス向上のために私はホテル館内を1日2回歩きまわり、それぞれのスタッフの職場を観察し、各従業員とコミュニケーションを取ることで、彼らが仕事を遂行するために必要なものが揃っているのか確認していきます。
 
 現場で働く人たちにとって安全な場所であること、多様性を認めること、居場所をしっかりと創ってあげることはとても重要です。私と年齢の離れた若い世代のスタッフともしっかりとコミュニケーションを取り、彼らがスムーズに仕事ができるよう心を配っています。コミュニケーションの方法は私の 3人の娘で実践し学んでいます。特に環境の変化が激しいこの時期においては、彼らを勇気づけることが私の主な仕事になります。
  
 総支配人である私は、シニアリーダーに対してはコーチ、一般のスタッフに対してはメンターという2つの役割を担っています。いずれの場合も、全スタッフが自分の意見をしっかりと発言できる環境を整えることがポイントとなります。自分らしくあるがままにいられて、興味を持った事柄に対して意見を述べ、わからないことは質問できる。常に発言が許される状況を維持する必要があるのです。
 
 自分が間違えたり、わからないことがあったとき、それを認めることのできないリーダーは多いと思いますが、私はリーダーだからといって完璧である必要はないと考えています。弱さを持っていることを認め、自分らしくあり続けることが大切です。弱点があることを認め、虚勢を張らず、飾らず、ありのままの自分であり続けること。そうすることで、社員が安心してアイデアや問題を共有できる、健全でオープンな職場環境が生まれます。
 
 コミュニケーションは取り過ぎるくらいがちょうどよく、良いニュースも悪いニュースも透明性を保ちながらどんな時も伝えるべきです。そして相手の意見に耳を傾けて、「聞く」だけでなく「聴く」ことに注力しなければなりません。しっかりと聴くことで、受け止めたものを自分の行動に反映させるという深いレベルでコミュニケーションを取るのです。

 人を思いやり、EQ(心の知能指数)とDQ(良識指数)の考え方に基づいた行動を実践することで、今ホテルで何が起こっているのかを理解することができます。EQはより強い人間関係を築き、チームのストレスを軽減し、対立を和らげ、仕事の満足度を向上させるのに役立ち、ホテルを安全で働きやすい場所にしてくれます。
 
 DQは EQよりもさらに一歩進んだ概念であり、リーダーとしてスタッフのために正しいことをしたいという純粋な気持ちが求められます。職場にいるすべての人にポジティブな姿勢を望むこと、すべての人が尊重され、大切にされていると感じさせることを意味します。

 リーダーにとって良識は知性と同等に重要です。特に今のような時代はお互いを思いやりながら、配慮深く接することが大切だと実感しています。

 

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