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2022年12月9日号 トップインタビュー 京都市長 門川 大作氏

トップインタビュー 京都市長 門川 大作氏

【月刊HOTERES 2022年12月号】
2022年12月08日(木)
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地域と調和し、地域コミュニティの活性化に貢献する宿泊施設の魅力を発信

----今、ホテルはじめサービス業界では人材不足に直面。市の考えは。

門川 まさに、“観光は人なり”。観光業に従事される方々は、観光はもちろん、歴史や文化の担い手でもあります。観光に関わる担い手の育成をしなければ日本の未来がない。そう確信しています。

2018年には、京都大学大学院に「観光 MBAコース」が設立されるなど、大学による担い手育成も進んでいます。また、障害のある子どもが通う支援学校では、ホテルや旅館と連携した職業体験を通して、ホテルのパティシエや旅館の幅広い仕事で活躍する生徒さんも。こうした取組は、地域文化の継承やノーマライゼーション社会の実現と持続可能な宿泊施設の経営、そして地域文化の継承や発展につながると考えています。

----おっしゃる通り、地域の人たちや文化、食をつなぐために欠かせない宿泊業。その重要さに気づいてほしいところです。

門川 京都市では、観光客の方々を温かくお迎えするのはもちろん、地域と調和し、地域コミュニティの活性化にも貢献している宿泊施設を「京都らしい宿泊施設」として表彰。事例集にまとめて広くご紹介しています。地域の文化や資源を取り入れたサービスやイベント、町内会行事への貢献など、私も具体的なお取組に接するたび、感謝の思いを新たにしています。

----それは素晴らしいお取り組み。自社でも実践する動機づけにもなりますね。最後に、これからの京都観光において、お考えをお聞かせください。

門川 「京都は観光都市ではない」。私はそう思っています。京都は観光を大切にしてきたまち。観光の背景に、1000年を超える日本の伝統、日本の教育、精神文化とものづくりがあります。伝統とは革新の連続で、京都の伝統産業は、次々に新たな価値を生み出しています。京焼・清水焼の技術がセラミックス、印刷や染めの技術が半導体製造技術になったように、匠の技が先端技術、先端産業につながっています。

また、まちを歩けば、きれいに手入れされたお地蔵さんに出会います。京都には日本の暮らしの美学・哲学、心が今もなお生き続けています。新・文化庁の京都移転がいよいよ2023年 3月に迫る中、こうした精神性とものづくり文化を大切に、文化×観光、文化×経済の融合を下支えし、世界からより尊敬されるまちづくりを一層進めていく決意です。 これからも市民ぐるみでおもてなしを実践し、多くの関係者の皆様と共に、持続可能な京都観光の実現に努めてまいります。


 

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